この本ですが、読み始めから大分時間が経ってしまいました。もう、お話は大部分忘れましたね。読み始めて、自分の想定していた内容とちょっと違ったので、モチベーションが下がって、他の本に浮気しながら読んでいたので時間がかかりました。
もともと、この本に興味を持ったのは、ピアノを弾くに当たり「聴く耳」は凄く重要だろうと思っていたからです。本の内容にもでてきますが、絵を描くときには、見る目が非常に大事です。描くことそのものよりも重要だという人もいるでしょう。この場合の見るには、二種類あると思います。モチーフを観察する力と、自分の描いた絵を客観的に見る目です。どちらも、重要なんですけど、今回は後者を取り上げます。
なぜ、自分の絵を客観的に見る目が重要かというと、自分の絵の形の狂い、色、調子、等々の問題点を自分で認識できないと直せないからです。つまりは、自分の絵のクオリティは、絵を見る目に左右されるということです。絵を描く技術的なことは時間をかければカバーできるかもしれませんが、自分が見てわからない問題点は絶対に直せない。
恐らく、ピアノも同じだろうという思いは以前からありました。自分で聴いてわからないものは絶対に直せない。自分がわかっていないのに、なぜか上手く弾けたと言うことはないだろうと思っていました。そういう、思いがあったので、この本の題名はどんぴしゃだったのです。
私が、この本に期待していたことは、具体的に聴く耳をどう育てるかと言うことです。具体的な訓練法が書かれていればよかったのですが、若干方向性が違いました。この本は、音楽を聴く耳の重要性をいろんな確度から語っていることが第一。もう一点は、レッスンにどう取り入れるかということですね。何にも参考になることがなかったわけではないですが、どちらかというと、こういうレッスンをした方が良いというような内容で、自宅で出来る方法はあまりないですね。
特に弦楽器とのアンサンブルが非常に有効だというお話でしたが、それをやるには個人レベルではどうしようもないところがあり、やはり、音楽教室や先生のサポートが必要な面があります。連弾でも、効果はあるようなことが書いてありましたが、これも先生によってはやったり、やらなかったりするんですしょうね。私の場合は、たまに先生と一緒に弾くことはあります。連弾というほどではないですが、先生の伴奏に合わせて弾くというのは、思いのほか難しいです。
確かに、先生の伴奏を聴きながら弾くので、どうしても、自分の弾いていないパートに注意せざるを得ません。自分で両方弾いてしまうと、その辺が疎かになっているのは指摘の通りだと思います。ただ、実際問題として、ピアノは両手がそれぞれ違うパートを弾くので、それぞれの音に同時に注意を向けながら弾くというのはかなり高度なことだと思います。
だから、それが出来るようになるとクオリティーが上がるということになるのです。それを鍛えるためにはアンサンブルがよいと言うお話に繋がります。グループレッスンって行ったことないけど、以外にそういうメリットもあるのかもしれませんね。今まで、あまりメリット感じませんでしたけど、そういう目的があったのかもしれません。
さて、この本ですが、お薦めかと言うとなんともいえません。語っている内容がかなりレベルの高い演奏のところのお話なので、自分にはちょっと縁遠い。連弾ぐらいは今すぐにでもやった方がよさそうですが、室内楽とのアンサンブルとか言い出すと、私のレベルでは無理だなと思います。
自分の音、聴いてる?: 発想を変えるピアノ・レッスン